安易な健康法にご注意を
最近、股関節の痛みを訴える中高年の女性が激増しています。しかも、その原因の殆どが無理な開脚運動によるもの。なぜ中高年の女性ばかりが、しかも開脚運動によって股関節ばかりを痛めるのか。最近、どんなに体が硬い人でも短期間で開脚が可能になる、或いは腰痛改善の為に開脚運動を勧める、といった書籍が流行っているそうで、どうやらそれらによって無理な開脚運動を続けるうちに股関節を痛めてしまうようです。腰痛改善を謳っておきながら結果的に体を壊すとは本末転倒の極みです。 私は現役柔道家なので、今でも股割りが可能です。(※)両足を真横に開いた状態で左右の膝に顔面がつきますし、開脚したまま前屈することで床に顔面がつきます。しかし、それは子供の頃から長年に渡って厳しい鍛錬を重ねてきたからこそ可能なのであって、ズブの素人が僅か数週間でマスターできるほど簡単なことではありません。簡単に股割りができるような人体構造であれば、股関節は簡単に脱臼してしまいます。弛緩した脊椎及び関節を保護する為に体が硬くなるのが人体の防御作用であり、それを強引なストレッチで引き伸ばす行為は破壊行為です。書籍や雑誌などは、言論(出版 表現)の自由の権利により好き勝手なことを羅列します。簡単な健康情報と簡単な儲け話に安易に食い付くと痛い目に遭います。書籍や雑誌の魅力的なタイトルに躍らされないよう、よく本質を見極めてください。簡単レシピを謳った料理本も、よく読んでみるとそんなに簡単でない場合が殆どです。 (※)…全ての柔道経験者が必ずしも股割りが出来るという訳ではありません。
2017年01月25日 04:04