感謝の再会
「初めてなんですが、鉾田市から向かうので1時間以上は掛かります。夕方なら何時でも構いません」『では16時でお取り致します。お名前は?』
「町村です」
『町村さんですね、ではお待ちしております。お気を付けてお越しください』
“町村さん…そういえば高校時代、町村先生といういい先生がいたなぁ…”
いつもビシッと白衣を着込んでキリッとしたかっこいい科学の先生だった町村先生のことを思い出しながら待っていたところへ「いやぁ~遅くなりましてスミマセン!」と、勢いよく入室してきたのは、なんと、まさかのまさか、町村先生だった。かつてはスリムだった町村先生も定年退職間近の年齢となり、恰幅のいいベテラン先生になっていたが、生徒にからかわれても笑顔で冗談を飛ばすところは相変わらずなようで、今も昔も生徒受けの良さは変わらないらしい。
現在の勤務先の県立高校で弓道部を受け持ち、弓を引く動作を繰り返すうちに左肘から下腕にかけての張りと痛みに悩まされていた町村先生。足繁く鍼灸治療に通ったという肘に残る灸による火傷の痕が痛々しい。それよりも気になったのが、不自然な全身のむくみ。特に、顔面と下半身のむくみが著しい。左脳、心臓、肺、腎臓、肝臓、大腸、膀胱、生殖器、頸椎、胸椎、腰椎と、くまなく検査をし、調整。
気の調律や筋肉反射テストなど、科学者にとっては否定したくなるような検査法や施術の内容も、町村先生は実に柔軟に受け入れ、こちらの説明を正確に理解されていた。それ故に、年齢の割に回復が非常に早く、施術後には全身のむくみがみるみる引いてきた。
「世の中には見えない世界があると思っている。科学的な証明にこだわるのは科学の慢心」と。既成観念で物事を決めつけず、生命の訴えに耳を傾ける町村先生。卒業して20年経った今でも、自らの真摯な姿勢をもって森羅万象の世に生きる人としての在り方を指導してくださった。再会に心から感謝致します。
※「町村先生」は仮名です。
2015年08月31日 06:14